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2009年4月 8日 (水)

北朝鮮ロケット打ち上げ騒動 ー 好戦国家復活に世論を誘導するメディアと政府の茶番

北朝鮮のロケット打ち上げに対する日本の政府とメディアの反応は、まるで開戦前夜のような異常ないきり立ち様で、現実には日本の安全保障上の危機など存在しないにも関わらず、隣国への敵愾心を煽る異常な体制は、敗戦前の侵略国家日本の姿をそのまま写しているようだ。これは軍事国家のプロパガンダによる体制引き締めそのもので、いずれは自らの挑発的行動によって安全保障上の危機が現実となり、それを根拠に軍事に依存する国家になっていくのだろう。

気がつかなくてはいけないのは、日朝間の関係が直接対峙しない時代から、直接対峙する関係に劇的に変わったことだ。北朝鮮が変わったのではなく、日本が変わったのだ。

拉致問題によって日朝関係が緊張状態になったと言うのは正しくない。小泉訪朝によって拉致問題は日朝間のその他の問題を含めて政治的に清算されようとしたのだ。問題はこの打算的偽善的な最後の「善隣外交」を覆す土壌がこの国に出来つつあったことだ。米国に導かれたタカ派再軍事勢力がこれまでの日本の国際関係の中心に据えられた「全方位外交」を駆逐したのだ。サンフランシスコ講和条約受け入れ、戦争の放棄を憲法に加えられた日本の国際関係は冷戦の中を建前上ではあるが「全方位外交」「善隣外交」で築かれていた。今ではそんな言葉もすっかり忘れられた。*1

日本が再び狂信的ナショナリズムをもって近隣国への軍事力をちらつかせる国家を目指そうとする動きを止めることはできないだろう。敗戦前の暴虐の事実が忘れられた現在では再び野蛮で単純な力の論理が受け入れやすいからだ。

日本人の特質である集団性は、小魚の群れのように個が集団の中心に向かおうとする運動だ。日本のメディアは世論をねつ造する。日本人それぞれが生き残るために世論の中心に向かおうとする。弱いもの、異なったものは中心から外され集団の為の犠牲になる。これは日本人の特性なのだから、容易に変わることはないだろう。
これまでの日本のメディアのあり方を見れば、外交問題でジャーナリズムを体現したことは一度もない。戦争の記憶が風化すれば、日本が成功体験である帝国主義ナショナリズムに取り込まれるのは不可避なのかもしれない。

*1)  私は2003年Yahoo!掲示板に「ふざけるな拉致議連、救う会、家族会」というトピックをたてた。このトピックの主旨は、「奴らは、拉致被害者を政治的圧力の「切り札」として利用し、日本を軍事大国にしようと企んでいる。こいつらに日本を乗っ取らせてはいけない。 」と言うもの。
これは拉致被害者家族会を中心に拉致被害者を救出するという運動の実態が、実は運動が変化を求めている対象が日本国民であること。本質は日本人に排外ナ ショナリズムを喚起させ、サンフランシスコ講和条約受け入れと日本の帝国主義の被害者への謝罪を前提にした善隣外交、真の和解を否定する運動であり、彼らの目標は日本帝国の復活だということ。彼らは北朝鮮による拉致の被害を声高に主張するが、我々はその拉致被害者救出運動の被害者である。それだけでなく、彼らや日本政府は在日朝鮮人らに対し、直接暴力犯罪や人権弾圧を行っている。彼らは北朝鮮に人道犯罪を非難するが、我々は彼らの自らの人道犯罪を棚に上げた人権弾圧運動を批判する。

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