安全保障

2009年4月16日 (木)

日本による6カ国協議の破壊は成功

 日本のごり押しによる北朝鮮ロケット発射を非難する国連安保理の議長声明は、あきらかにダブルスタンダードであり、国際法を無視した筋の通らないものだ。いくら何でも特定の国家だけ人工衛星打ち上げロケットの発射を禁ずるなどということはできない。議長声明では「発射」は「違反」としているが、ミサイルではないことが明らか故に、「発射」する対象が何を示すのか欠いたまま、「違反」とブチあげてしまった。
 拘束力がないとはいえ、こんな無様で政治的公正さを欠いた声明がまともなわけがない。日本に配慮した為に、国連安保理はまた大きな失敗を犯した。(国連安保理改革など止めて、肝心なことに役立たずの国連安保理は廃止した方が良いと思う。)

 この結果は6カ国協議でやっと一歩前進した朝鮮半島の非核化交渉の成果を日米によって葬ることになり、この地域の緊張関係をかえって増すことになった。

日本を除く6ヶ国協議参加国は、6ヶ国協議を壊すつもりはなく、日本の顔を立てつつバランスをとったつもりであろうが、読みは浅かったと言わざる得ない。北朝鮮が6ヶ国協議からの離脱を表明したことで、米中は慌てている。北 朝鮮は理詰めだ。これまで圧倒的に力の小さい北朝鮮は交渉相手国を公正なルールが期待できる土俵にあげたうえで、相手のイカサマを逆手に要求を通してき た。米国は力の外交しかできないので、なんども北朝鮮に苦汁を飲まされている。今回も北朝鮮に理がある。米国は北朝鮮に頭を下げざる得ないだろう。

 国連安保理に決議案を提出した日本の狙いは何なのだろうか?

 米朝関係改善を妨害すること。それと北朝鮮を挑発することでこの地域の緊張を高め、自らの安全保障の危機を作り出し、プロパガンダによって世論を誘導して戦争の放棄を謳った憲法のくびきから逃れ軍事力をもって覇権国家の復活を実現することだ。

 元々6ヶ国協議も北朝鮮を追い込むためだけに参加していて、はなから朝鮮民主主義人民共和国の存在を認めたくない日本政府と世論は、これまでも度々6ヶ国協議を妨害する行動をとってきた。頭の中は北朝鮮を追い詰めることだけしかない。
 ”拉致問題”も”核問題”も、米国の安全保障に関わる”ICBM”も北朝鮮を潰すためのカードとして扱われてきた。

前回にも書いたが、日朝間の関係は大きく変わった。これまで日本と北朝鮮は、無視はするが、敵対もしていない関係だったが、今は日本が現在休戦中の朝鮮戦争当事国である米国を差し置いて、北朝鮮と敵対する関係になろうとしている。これについては別に書くが、日本には抜きがたい朝鮮コンプレックスが潜在的にあるからだろう。

日本のメディアは、北朝鮮の反応を”瀬戸際外交”を繰り返す呆れた国家と揶揄するばかりで思考停止している。

週刊金曜日2009.4.10号「戦争ごっこに巻き込まれるな」青木 理の文章から

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 それにしても、人民を飢えさせながらハリボテに近い「ミサイル」や「核」に狂奔する北朝鮮の独裁はつくづく罪深い

しかし、その困窮の独裁の一挙手一投足にいきり立つ素振りを見せ、「北風」に必死で帆を立てている日本の政治、メディアの佇まいも滑稽で、なおかつ胡散臭い。

 いま求められているのは、徹底的に冷徹な視座で困窮の独裁と脅威の実相を見つめ、なんとしても軟着陸へと導くための真摯な方途の模索であろう。同時に私たちは、奇妙な「北風」に乗じて日本国内に蔓延り続ける浅はかな空気を戒めねばならない。

 ここでもやはり、北朝鮮が困窮しながらも周りに害毒をまき散らす迷惑な隣人として、その愚行を指導しなければいけないと、まるで迷惑を一方的に受けている被害者ぶって善人面までしているが、そもそも北朝鮮が独裁軍事政権を維持しなければならないのは、米国の軍事・経済的な圧迫によるところが大きいのではないのか。たしかに、北朝鮮はその独裁的国家体制の中で国民を弾圧してきた。しかし、そのことと現在問題としていることは別なことだ。しかも近年の北朝鮮の激しい威嚇行動は米国と日本による不公正な挑発への反動・反発であるのは明らかだ。

日米の対北朝鮮政策が口先とは裏腹に北朝鮮の独裁政権を維持させ、経済制裁と独裁政治が市民を苦しめ、核兵器所有までさせたという加害者であることの自覚の無さ、想像力の無さは呆れるほかない。それは侵略しておきながら被害者意識しかないイスラエルに近いものだ。

 欧米の中東政策同様に力の弱い者に対して勝手にルールをつくって追い込んで、必死の抵抗をテロ・犯罪・瀬戸際外交と決めつける帝国主義的思考を続ける限り紛争はなくならない。

 

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2009年4月 8日 (水)

北朝鮮ロケット打ち上げ騒動 ー 好戦国家復活に世論を誘導するメディアと政府の茶番

北朝鮮のロケット打ち上げに対する日本の政府とメディアの反応は、まるで開戦前夜のような異常ないきり立ち様で、現実には日本の安全保障上の危機など存在しないにも関わらず、隣国への敵愾心を煽る異常な体制は、敗戦前の侵略国家日本の姿をそのまま写しているようだ。これは軍事国家のプロパガンダによる体制引き締めそのもので、いずれは自らの挑発的行動によって安全保障上の危機が現実となり、それを根拠に軍事に依存する国家になっていくのだろう。

気がつかなくてはいけないのは、日朝間の関係が直接対峙しない時代から、直接対峙する関係に劇的に変わったことだ。北朝鮮が変わったのではなく、日本が変わったのだ。

拉致問題によって日朝関係が緊張状態になったと言うのは正しくない。小泉訪朝によって拉致問題は日朝間のその他の問題を含めて政治的に清算されようとしたのだ。問題はこの打算的偽善的な最後の「善隣外交」を覆す土壌がこの国に出来つつあったことだ。米国に導かれたタカ派再軍事勢力がこれまでの日本の国際関係の中心に据えられた「全方位外交」を駆逐したのだ。サンフランシスコ講和条約受け入れ、戦争の放棄を憲法に加えられた日本の国際関係は冷戦の中を建前上ではあるが「全方位外交」「善隣外交」で築かれていた。今ではそんな言葉もすっかり忘れられた。*1

日本が再び狂信的ナショナリズムをもって近隣国への軍事力をちらつかせる国家を目指そうとする動きを止めることはできないだろう。敗戦前の暴虐の事実が忘れられた現在では再び野蛮で単純な力の論理が受け入れやすいからだ。

日本人の特質である集団性は、小魚の群れのように個が集団の中心に向かおうとする運動だ。日本のメディアは世論をねつ造する。日本人それぞれが生き残るために世論の中心に向かおうとする。弱いもの、異なったものは中心から外され集団の為の犠牲になる。これは日本人の特性なのだから、容易に変わることはないだろう。
これまでの日本のメディアのあり方を見れば、外交問題でジャーナリズムを体現したことは一度もない。戦争の記憶が風化すれば、日本が成功体験である帝国主義ナショナリズムに取り込まれるのは不可避なのかもしれない。

*1)  私は2003年Yahoo!掲示板に「ふざけるな拉致議連、救う会、家族会」というトピックをたてた。このトピックの主旨は、「奴らは、拉致被害者を政治的圧力の「切り札」として利用し、日本を軍事大国にしようと企んでいる。こいつらに日本を乗っ取らせてはいけない。 」と言うもの。
これは拉致被害者家族会を中心に拉致被害者を救出するという運動の実態が、実は運動が変化を求めている対象が日本国民であること。本質は日本人に排外ナ ショナリズムを喚起させ、サンフランシスコ講和条約受け入れと日本の帝国主義の被害者への謝罪を前提にした善隣外交、真の和解を否定する運動であり、彼らの目標は日本帝国の復活だということ。彼らは北朝鮮による拉致の被害を声高に主張するが、我々はその拉致被害者救出運動の被害者である。それだけでなく、彼らや日本政府は在日朝鮮人らに対し、直接暴力犯罪や人権弾圧を行っている。彼らは北朝鮮に人道犯罪を非難するが、我々は彼らの自らの人道犯罪を棚に上げた人権弾圧運動を批判する。

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2008年1月26日 (土)

北朝鮮偽ドル札の真相

米国が北朝鮮に偽米ドルの犯罪と決めつけているのは、かなり前からで、1996年には元赤軍派の一人田中義三と一般人のカンボジア系日本人の二人がタイで米国シークレットサービス に偽ドル犯の罪をかぶせられ拘留された。あからさまな濡れ衣でタイの裁判所は無罪の判決を下した。これは米国SSの謀略によるものと言われてる。日本のマスコミ、特に読売新聞と当時日本電波ニュースの高世仁は、米国の 言い分をそのまま鵜呑みにして、彼らを北朝鮮の偽ドル犯人・エージェントと決めつけ大々的に日本で報道した。高世仁は、彼らが無罪判決になったにも関わらず、『スー パーKを追え』という著作を出し、テレビ朝日の「ザ・スクープ」でも同様番組を制作して放送している。今でも訂正さえしていない。以前からまともな専門家からは、国家規模で高精度の偽ドルを造るメリットがないと言われてい たが、高世などは今でも、ウソを吹聴し続けています。(参考:宮崎学氏のサイトhttp://members.at.infoseek.co.jp/siomi403/tanaka.htm )

その後、ブッシュ政権が「悪の枢軸国」と北朝鮮を敵視したことと、拉致問題で日本中が敵意をもったことに便乗して、再び北朝鮮偽ドル札報道が大きく取り上げられるようになり、元NHKアナウンサーで手嶋龍一氏が米国のプロパガンダをそのままに『ウルトラダラー』というトンデモ本出した。『ウルトラダラー』の宣伝でニュース番組に出演したのを何度か見ることがあったが、元NHKのアナウンサー(それも優秀だったそうな)でありながら、話はたどたどしく要領を得ず、目は虚ろで、なにか薬でも飲んでいるかのような感じだった。
ところが、これを真っ向から否定する報道がドイツから出され、慌てた米国はそれまで激しく北朝鮮を非難し「バンコ・デルタ・アジア」の北朝鮮口座の凍結の根拠としていた偽ドル問題を取り下げてしまった。

フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング 日曜版の日本語訳

日本ではほとんど報道されないまま現在も北朝鮮ー偽ドル札犯が幅をきかせているが、まともなインテリジェンスをもつ一部の知識人は、偽ドル札北朝鮮説を信じない。それは米国がこれまで余りにも多くの謀略工作を世界中で展開しているからだ。

原田武夫が最新刊「北朝鮮VS.アメリカ —「偽米ドル」事件と大国のパワー・ゲーム」をご紹介!!

TVの手嶋龍一氏は、たどたどしい話の中で何度も「インテリジェンス」を繰り返していたが、まるで子供が覚えたての言葉を繰り返しているようだった。手嶋龍一氏にとって「インテリジェンス」は魔法の言葉のようなのだが、どうして元NHKアナウンサーがインテリジェンスの専門家のように振る舞うようになったのか?これはあくまで想像だが、彼は米国の「インテリジェンス」との関係があったのではないのか。自覚しないうちに米国情報工作の協力者にはめ込まれていたのではないのか?虚ろな目は洗脳された者のようだった。

もう一人の偽インテリジェンスのプロ、佐藤優氏との盟友関係は偽物同士お互いが利用しあう仲だと言えるが、二人とも協力者なのかもしれない。

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